2014年TVアニメ総括

このような見出しを付けた慣習的記事であれば、ユーザーは「個人」でなく「10選」という選好形式(あるいはそれに準ずる独自意識による好悪の序列の抽象化)そのものを閲覧しようとアクセスしてくる訳ですよ。事実、比較的多数のPVを稼いでいるので零細ブログには有難い話です。5作品しか掲示していないことに実質の意味はありません。10選ではないけれどピックアップリストという点で通底しているので平にご容赦を。順序不同。太字は圧巻。



深夜帯でもシンエイ動画は健在でした。関くんの想像力の表象である「一人遊び」、その「翻案」を一手に引き受ける横井るみ、そして統合された記述を受け取る「視聴者(オーディエンス)」と複層化した形式を取る物語。劇中において関くんのコミットメントが一人遊びに完結していて発話が全く見られないのは自身が横井るみの翻案というレイヤー(層)に後退することを防ぐため、レイヤーの境界線である「隣席間」を保障しているんですよ。一人遊びを視認できる隣席にも一人遊びを独自に言語化する想像力が要請され、その固有の属性から横井るみも一介の視聴者に後退することなく付かず離れずの距離感を代表できる。それぞれ想像力の明確な限界が設定されていて、しかし追求アンド追求。越境のタブーを犯して物語が失効した挿話もあったりなかったり。実質的に2クールあったんですよねこれ(地上波+ネット配信+OADで全23話)。 19話


Wake Up, Girls!  1 初回生産限定版 [Blu-ray]

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イェーイ、劇場版の続報だー。たぶん2014年で一番の吉報。時代のアイドル像とは絶えず変化し続け常に同一ではありえない文化状況に置かれてはアイドルの価値を更新し続ける連続性そのものが物語たりうる。サイリウムのカラーリングが瞬く間に塗り変わるコンサートホールはその戯画であり、復興に励む被災地の展望もまた同様。観る者と語る者が同時的に試みる価値の固着とその更新は不断である。『Wake Up, Girls! の明日はどっちだ!?』 9話


日常生活の中で繰り返し反復される無味無臭な単純動作。機械的なそれは多くの場合退屈や倦怠感といった感情を孕むものの、「山」という空間的性質が加味されるだけで「登山」という固有の行動様式となり、固有のリズムが生まれる。ただ立ち歩き、座り、食べて、雑魚寝で横たわるだけでも達成感・高揚感といったインセンティブに資するのは、先述の通り。下山後もそのリズムを日常動作に適用することで、これまで等間隔で配置されていた生活上の営為に色が着く。ほんの少しだけ歩調を外し、視線を外にやるだけで新しい世界が垣間見える。それによって積み重ねた時間を「価値」に昇華させる瞬間というのがあるんですよ。例えばひなたとあおいの応酬もそこに含まれる。恐らくそれがベストショットになるのか。世界を肯定する登山! 10話


生来の容姿が持続しない、誰でも十全に自己表現できるプリパラ空間には現実的制約としてのリアリズムから遠く離れてこそ観測できる「輝き」があるね。自己像の一般的傾向を引き受ける必要がないコミューンだけあって、四角四面の委員長で通っているみれぃがプリパラでブイブイ言わせてるんですよ。アイドルになること、そこで自分との連続性は迂回してもいいと中々ニクいメッセージを送っている。無論「男の子」という属性も無視してこれを楽しむことも肯定していて、つまり誰もがアイドルから疎外されない世界ですね。まぁ同時に個々が最適化されているが故に明確な序列が構造化している熾烈なバトロワ空間でもあるw 15話


ワールドトリガー VOL.1 [Blu-ray]

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幾多のなんちゃって「日常とコインの裏側の戦争」モノって、要は真っ当な方法論(日常)では自己肯定できない連中の叛逆であって大概ヒロイズムの発露が全てに優越するんですけど、これにはそういう傲慢さはないですね。戦争を社会の常態に置くということを理解している。むしろ組織化された冷徹な動員体制が淡々と戦争を御するその側面に注目していて、組織にあって自分を見失わないように必死。なるほど公正な手続きが逆に非合理的な傾向を示したり、明らかに社会通念を逸脱した非倫理的行為が指揮系統の下に正当化されてしまったり(一般人の記憶消去したり、ブラックトリガーを殺してでも奪い取れとムチャを命じる)、自分が帰属する場所/物の選択を常々迫られる。デフォルメの効いた筆致で少年誌に掲載しているのに、やってることは処世術とか身の振り方ですからね。次は日5で(懇願 7話



ベストチューンは「Respect for the dead man」「恋はみるくてぃ」「BRYNHILDR IN THE DARKNESS」「オトノナルホウヘ→」「タチアガレ!」「東京ゼロハーツ」etc...